Amazonのレビュー広告とは?Review Requestsを既存策と比較

2026年9月29日、Amazon Adsは購入者にレビュー投稿を促す新しい広告「Review Requests」を発表しました。米国で2026年10月下旬にオープンベータとして提供が始まる予定です。これまで出品者がお金をかけて動かせなかった「レビューの集まる速さ」に、広告予算を使えるようになるわけです。

日本ではまだ使えません。それでも、仕組みと既存の施策との違いは今のうちに押さえておく価値があります。

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Amazonの「レビュー広告」とは?

Amazonでレビューに関わる広告は、役割で2種類に分かれます。レビューを集める広告と、集まったレビューを見せる広告です。広告ではないものの、レビュー集めに使われる無料・有料の仕組みも並べて整理します。

種類 代表的な仕組み 役割
レビューを集める広告 Review Requests(2026年発表) 購入者に評価・レビューの投稿を促す
レビューを見せる広告 Amazon DSPのレスポンシブeコマースクリエイティブ(2021年対応) 広告の文面にカスタマーレビューを載せる
広告ではない仕組み レビューをリクエストする(米国名 Request a Review)、Amazon Vine 購入者への依頼メッセージ、招待制レビュアーへの商品提供

2021年12月15日の発表によると、Amazon DSPのレスポンシブeコマースクリエイティブ(REC)では、広告コピーに最大116文字のカスタマーレビューを入れられます。日本も対象地域の一つ。Amazonは、レビューを含むクリエイティブは広告エンゲージメントと商品詳細ページへの訪問数が高くなる傾向があると説明しています。

レビューを集める側の広告は、今回のReview Requestsが初めてです。後で紹介するThe Drumのコラムも、この点を指摘しています。

Review Requestsの仕組み

Review Requestsは、最近その商品を買ったお客様に向けて、Amazonで買い物をしている最中に星評価やレビューの投稿を促す広告です。Amazonは表示場所を「Amazonのトップページをはじめとするアクセス数の多いページ」と説明しています。

Review Requestsの表示イメージ(出典:Amazon Ads「Branded ConversationsとReview Requestsのご紹介」2026年9月29日)

流れは3段階です。

  1. 最近商品を買ったお客様に、Review Requests広告が表示される
  2. お客様はワンクリックで星評価を送る
  3. 希望すれば、文章のレビューや動画、画像を追加して投稿する

広告主はAmazon Adsエージェントで、ほかのキャンペーンと同じ入札額と予算の管理機能を使ってキャンペーンを作ります。API経由で運用する場合は、既存のユニファイドキャンペーン管理APIのエンドポイントを拡張する形で提供されます。Amazon Adsエージェントそのものについては「Amazon Ads AgentはDSPの終わりか?UBP論で読む2026年の広告買付と媒体社の備え」で詳しく扱いました。

対象となる出品者と商品

提供地域と利用対象(出典:Amazon Ads「レビューリクエストで本物のレビューを促進する」2026年9月29日)

提供地域は北米の米国だけです。Amazonは「今後のリリースで、さらに多くのマーケットプレイスへの対応を予定」としていますが、時期は示していません。

使えるのは、広告コンソールのアカウントが良好な状態で、現在ポリシー違反がない登録済みの出品者と取引企業(ベンダー)です。商品は、評価とレビューの合計が1,000件未満のものに限られます。1,000件に達すると、その商品のReview Requestsは自動で一時停止します。

開始時期の書き方は公式ページでも揃っていません。新機能のお知らせは2026年10月下旬、同じ日に出たニュース記事は2026年11月としています。1,000件の上限からは、Amazonが発売直後の商品向けの道具と位置づけていることが読み取れます。

「レビュー3倍」の数字はどう読むべきか?

Amazonが示した初期テストの結果は、商品1点あたりの週間の評価・レビュー数がテスト前の3倍になったというもの。脚注によると、根拠は2026年6月3日〜21日に米国で行ったクローズドベータの社内データです。

PPC Landは2026年10月12日の記事で、この数字の限界を指摘しました。期間は19日間で、比べた相手は同じ商品のテスト前の数字です。似た商品で広告を出さなかったグループとは比べていません。参加した商品の数や、もともとのレビュー数も開示されていません。週2件が6件になったのか、50件が150件になったのかで、広告費の重みはまったく変わります。

既存の施策と何が違うのか?

違いは、お金を払って「依頼を表示する場所」を買える点にあります。依頼の相手はあくまで認証済みの購入者で、レビューを書くかどうか、何を書くかを決めるのもお客様です。

項目 Review Requests レビューをリクエストする Amazon Vine
種類 広告 出品者向けの無料機能 レビュー獲得プログラム
届く相手 最近購入した認証済み購入者 その注文の購入者 招待制のレビュアー(Vine Voices)
タイミング 購入後(日数は未公表) 配達後5〜30日 発売前から可能
費用 入札と予算で管理(課金方式は未公表) 無料 米国の公式ページは2商品まで無料登録と案内
上限・表示 評価とレビュー合計1,000件未満 Amazonの定型文で送られる 最大30件。レビューにVineのバッジが付く

レビューをリクエストするは、注文の詳細画面のボタンから使う機能です。Amazonのスタッフは米国のセラーフォーラムで、配達後5〜30日に定型の依頼を送る機能として紹介し、レビューの見返りにインセンティブを渡すことを禁止事項に挙げています。日本のセラーセントラルにも同じ名前のボタンがあります。

Vineは、招待されたレビュアーが商品を無料で試し、正直な感想を投稿する仕組みです。日本では2010年6月17日に「Amazon Vine先取りプログラム」として始まり、投稿されたレビューには専用のバッジが表示されます。

The Drumのコラムニスト、Kiri Masters氏は、AmazonはVineをはじめ、いくつものレビュー施策を出しては終えてきたものの、ブランドが広告予算を投じられるものはなかったと書いています。

業界はどう受け止めたか

2026年10月1日のThe Drumによると、Masters氏が話を聞いた代理店やブランドの担当者が最も期待していたのは、AIエージェントではなくReview Requestsでした。AcadiaでリテールメディアのディレクターをつとめるRoss Walker氏は10点満点中10点をつけています。

a legal lever for brands to pull to get more reviews
(ブランドがレビューを増やすために使える、合法的な手段)
Ross Walker氏、Acadia(The Drum、2026年10月1日)

OLLYでAmazonメディアを担当するSummer Jubelirer氏は、2027年の予算に枠を確保すると答えています。新商品の発売時や、星評価が4.2を下回った商品に使いたいという理由です。

一方で、PPC Landが紹介したLinkedInの議論では、費用対効果を疑う声も出ました。無料のレビュー依頼で集まる分を差し引いた、追加の1件あたりのコストで判断すべきだという指摘です。PPC Landの整理では、課金方式、表示場所の詳細、「最近購入」の日数、レポートで見られる指標、広告経由のレビューに印が付くかどうかは、どれも公開ページに書かれていません。

筆者の見解:レビュー集めが広告予算に入る意味

筆者は、この発表のいちばん大きな影響を予算の持ち主が変わる点にあると見ています。これまでレビュー集めは、商品ページの運用担当や顧客対応、発売チームの仕事でした。Review Requestsが入ると、同じ仕事が広告運用の予算と入札の画面に移ります。

広告運用者は、レビュー1件をクリックやコンバージョンと同じ物差しで測る必要に迫られるでしょう。Amazonの言う「3倍」は前後比較なので、そのまま投資判断には使えません。判断の軸は、無料の依頼だけで集まる件数を上回った分に、いくら払ったかです。

もう一点、上限を1,000件にしたことにも意味があります。PPC Landによると、Amazonは2026年1月7日にバリエーション間のレビュー共有を制限すると発表し、2026年2月12日から2026年5月31日にかけてカテゴリごとに適用しました。PPC Landも指摘するとおり、親商品のレビューを引き継げなくなった子商品は、レビュー数が減って1,000件未満になりやすくなります。広告の対象になる商品は、この変更で増えたと筆者は見ています。

これまでの日付を時系列で並べると、次の表のとおりです。

Review Requestsをめぐる経緯
2026年1月7日 バリエーション間のレビュー共有を制限する方針を発表(出典:PPC Land)
2026年2月12日〜2026年5月31日 カテゴリごとに制限を適用(出典:PPC Land)
2026年6月3日〜21日 米国でクローズドベータを実施。週間の評価・レビュー数がテスト前の3倍になったとAmazonは発表(出典:Amazon Ads)
2026年9月29日 Review Requestsを発表(出典:Amazon Ads)
2026年10月下旬(同日のニュース記事では2026年11月) 米国でオープンベータ開始予定(出典:Amazon Ads)
日本 未定。Amazonは「今後のリリースで、さらに多くのマーケットプレイスへの対応を予定」としているが時期は未発表(出典:Amazon Ads)
出典:Amazon Ads「レビューリクエストで本物のレビューを促進する」(2026-09-29)、Amazon Ads「Branded ConversationsとReview Requestsのご紹介」(2026-09-29)、PPC Land(2026-10-12)

広告の依頼自体には「Sponsored」の表示が付いています(公式の見本画像で確認)。ただ、その依頼から投稿されたレビューが商品ページでどう表示されるかは、まだわかりません。Vine経由のレビューにはバッジが付くので、広告経由のレビューにも何らかの表示が付くのか。日本に導入されるときは、ここが論点になると筆者は考えます。

依頼にはSponsoredとReview request for this productの表示が付く(出典:Amazon Ads「レビューリクエストで本物のレビューを促進する」2026年9月29日)

日本の出品者は今なにをすべきか

Review Requestsは2026年10月19日時点で米国だけの機能です。日本で始まる時期も発表されていません。それまでにできることは3つあります。

  1. 無料のレビューをリクエストするを全注文で使い、商品ごとの週間レビュー数を記録しておく。将来Review Requestsを試すとき、上乗せ分を測る基準になる
  2. 発売前の新商品はVineを検討する。発売直後のレビュー不足を、広告を使わずに埋められる
  3. Amazon DSPを使っているなら、RECにレビュー文を入れて広告の反応を比べる。こちらは日本でも使える

まとめ

  • Amazon Adsは2026年9月29日、購入者にレビュー投稿を促す広告Review Requestsを発表した。米国で2026年10月下旬にオープンベータが始まる
  • 対象は評価とレビューの合計が1,000件未満の商品。1,000件に達すると自動で止まる
  • Amazonは週間のレビュー数が3倍になったと発表したが、19日間の前後比較で、課金方式も未公表
  • 日本では未提供。今は無料のレビューをリクエストするとVineで基準値を作っておくのが現実的な備え

レビュー集めに値札が付いた以上、問われるのは1件あたりの追加コストです。日本に来たときに比べられる数字を、今から手元に残しておきたいところです。

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参考記事

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