Prime Videoを一時停止した瞬間に商品が画面に現れ、ワンクリックでカートに入る。そんな未来はもう遠くないのではないか。2026年第4四半期以降、この体験が現実になる。
2026年9月3日、Amazonは広告主・代理店向けイベント「Amazon Japan Upfront 2026」を開催した。Prime Video広告に新フォーマットを投入すると同時に、通信や旅行、金融といった非Eコマース業種の参入が急拡大している実績も公開している。
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目次
Amazon Japan Upfront 2026とは
Amazon Japan Upfrontは、Amazonが日本の広告主・代理店向けに開く年次発表イベントだ。2026年9月3日の回では、Prime Video広告の新機能に加え、直近の出稿実績データが公開された。テレビ業界のアップフロント商戦を、Amazonが動画広告の枠組みで再現した格好だ。
Prime Video広告は2025年4月に始まった。前半6カ月(2025年4月~9月)から後半6カ月(2025年10月~2026年3月)にかけて、広告主1社あたりの平均キャンペーン支出額は45%増加している。同じ期間で、Amazon.co.jpで商品を販売していない広告主の数も48%増えた。動画広告として始まったこの枠に、Eコマース以外の企業が加わっている数字だ。
なお、Amazonについては「Amazon Ads Upfront 2026:広告は視聴から購買へ動くのか」でも取り上げていますので、併せてご覧ください。
新フォーマット3種 – 広告からカートへの体験
Amazon Adsは新フォーマットを3種発表した。ポーズ広告とロケーションベースのインタラクティブ動画広告は2026年第4四半期、ネクストアップ広告は2027年第1四半期に提供が始まる予定だ。
- ポーズ広告 – 視聴者が一時停止した瞬間に半透明のオーバーレイ広告を表示する。商品はワンクリックでAmazonのカートに追加できる。
- ロケーションベースのインタラクティブ動画広告 – 視聴者の位置情報シグナルを使い、近隣の店舗やディーラー、サービス拠点へ視聴者を誘導する。自動車や飲食、小売など実店舗を構える業種の出稿を想定した機能だ。
- ネクストアップ広告 – 番組の合間に表示され、次の視聴やアクションへの導線として機能する。
三つに共通するのは、リモコン操作だけで商品情報の閲覧やカート追加まで完結する設計だ。テレビの前を離れずに購買行動へ進める。
通信・旅行・金融が急伸 – 顧客層はEコマースの外へ
Prime Video広告の成長を押し上げているのは、Amazon.co.jpで商品を売る企業だけではない。
| 業種・区分 | 成長率(前半6カ月→後半6カ月) |
|---|---|
| 通信 | 140%増 |
| 旅行 | 83%増 |
| 金融サービス | 69%増 |
| 非Amazon.co.jp販売の広告主数 | 48%増 |
| 広告主平均キャンペーン支出額 | 45%増 |
出典: Amazon Japan Upfront 2026発表資料(2025年4月~9月と2025年10月~2026年3月の比較)
契約や申し込みで完結する業種ほど伸びが大きい。Prime Video視聴世帯の89%は過去1ヶ月以内にAmazonで買い物をしている。第三者調査(GWI)によれば、Prime Video広告に接触した視聴者は購入に至る可能性が38%高いという結果も出た。購買意欲の高い視聴者層に、Eコマース以外の業種が入り込み始めている。
分析 – 動画広告はコマース装置に変わった
ポーズ広告とロケーションベース広告に共通するのは、視聴の中断を最小限にしながら購買や来店の意思決定を差し込む設計だ。視聴を止めて注意を奪う従来のプレロール広告とは方向性が違う。
筆者はこの流れを、Prime Videoが「広告枠」から「コマース接点」へ役割を変えつつある動きと見ている。店舗網や販路が限られる通信・金融のような業種が、テレビ視聴という生活導線の中に接点を持てるようになった意味は大きい。Amazon Adsにとっても、Eコマース以外の広告主を取り込む新しい入口になる。
今後の展望
新フォーマットは2026年第4四半期(ポーズ広告、ロケーションベース広告)と2027年第1四半期(ネクストアップ広告)に分けて提供が始まる。大型セール期を控えた小売・自動車業種での採用が先行するとみられる。
通信・金融など申込完結型の業種は、Prime Video広告を新規顧客獲得チャネルとして継続投資する可能性が高い。一方でロケーションベース広告は位置情報を扱う以上、データ利用の説明責任も問われる。透明性がどこまで担保されるかは、広告主が出稿を判断する材料になるだろう。
まとめ
- Amazon Japan Upfront 2026は2026年9月3日に開催され、Prime Video広告に3つの新フォーマットを発表した
- ポーズ広告とロケーションベース広告は、視聴を止めずに購買・来店へつなげる設計になっている
- 通信・旅行・金融など非Eコマース業種の参入が拡大し、Prime Video広告の役割は広告枠からコマース装置へ広がっている
新フォーマットの提供開始は2026年第4四半期と2027年第1四半期に分かれる。自社の業種でどう活用できるか、今のうちに検討する価値がある。
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参考記事
- アマゾンの「Amazon Ads」、「Prime Video」広告で新フォーマット。ロケーションベースのインタラクティブ動画広告、ポーズ広告などを展開 – Yahoo!ニュース/ネットショップ担当者フォーラム (2026-09-14)
- 「Amazon Ads」新フォーマット発表、店舗に誘導する「インタラクティブ動画広告」や「ポーズ広告」など – Web担当者Forum (2026-09-04)
- Amazon Ads、Prime Video広告の新フォーマットを発表 「ポーズ広告」ほか3種を2026年第4四半期以降に提供予定 – ECのミカタ (2026-09-07)
- Amazon Ads、Prime Video広告の新フォーマットを複数発表 来店促進向けも拡充 – MarkeZine (2026-09)